抹茶ができるまで

抹茶ができるまで

茶摘みで摘んだ葉はすぐに発酵が始まります。それを防ぐため摘んでから基本的には24時間以内に碾茶に仕立てます。発酵させると紅茶やウーロン茶になりますが緑茶は発酵させません。同じ茶の木からなるお茶でも製造工程で異なるんですね。

 

さて抹茶の話ですがまず新芽をふるいにかけ蒸し器に入れます。蒸すのはわずか1分足らずでそれ以上だと水分を含み過ぎてしまうのだそう。蒸し加減は熟練の作業です。品種やその年の出来によって蒸し器の角度や時間を調節します。

 

蒸した後は散茶機で下から風を送って葉を高く舞い上げ冷やしながら水分を飛ばしていきます。高さは8mにもなるそう。これを5つのパーテーションに区切り葉が重ならないようベルトコンベアで乾燥炉に送るのです。

 

送られた新芽は90~180℃の乾燥炉のなかで往復しながら20分ほどかけてじっくり乾燥させ、その後選別機で茎を取り除かれます。

 

 

こうしてできたお茶を碾茶(荒茶)といいます。この状態で食べてみるとお出汁の効いた焼きのりのような味がしました。出来立ての碾茶は摘みたての葉なのでフレッシュな感じです。これを半年ほど寝かせることによって青々しさが取れて味に深みが増していきます。そのため抹茶の新茶は5月ではなく11月頃になります。

 

碾茶を細かく切断し葉脈なども完全に取り除いた葉を茶臼で挽いたのが抹茶です。空気に触れて香りが飛ばないよう専用の挽茶室で行います。

抹茶は煎茶とは違い、蒸したあとに揉みこんで味や香りを引き出すという工程はありません。新芽の品質や熟練の仕立て技術が抹茶の味を左右します。

このように同じ緑茶でも抹茶は栽培方法や製造工程が全く異なります。手間暇かけて丁寧に作られているのを目の当たりにして抹茶が他の緑茶に比べて高価なのも納得がいきました。

茶の湯では11月の炉開きの時にその年のお茶を封切して頂きます。11月は茶人の正月といわれお茶会やお茶事を開いて祝います。

秋には茶臼で挽く工程を見学しに行く予定です。

 

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